災害派遣精神医療チーム
DPAT: Disaster Psychiatric Assistance Team
2013年4月に厚生労働省によって定められた被災地で精神科医療や精神保健活動の支援を行うための専門的なチームです。災害時には被災地域の精神保健医療機能が低下し、発災以前に健康であった人も災害によるストレスで精神的な問題を生じます。また、災害弱者となりうる精神障がい者は、避難や被災による生活の変化に影響を受けやすく、高齢者や妊産婦とならんで特別な配慮が必要とされます。このような状況の中で、被災地域のニーズの把握、近隣地期の保険医療体制との連携、各種関係機関との調整、精神科医療の提供、精神保健活動の支援など活動は多岐にわたります。
2024年1月に生じた能登半島地震にDPAT先遣隊として支援に携わりました。石川県庁内DPAT調整本部および石川中央・南加賀避難所指揮所で活動し、災害直後からの緊急支援に加え、中長期的な精神医療支援体制の構築に焦点をあてました。特に、精神健康面でのサポートニーズに迅速かつ適切に対応するための体制作りに重点を置き、外部支援団体や石川県内関係部署との連携を深めました。この活動は、南海トラフ地震を想定した災害対応や研修会における貴重な事例として、今後発展させていくことが期待されます。
2011年3月の東日本大震災発災当初から現在まで、岩手医科大学精神科と一緒に災害復興支援に携わっております。2016年4月の熊本地震ではDPAT活動や倒壊した精神科医療機関への支援を行っております。また、南海トラフ地震に備え、DPAT先遣隊研修会や構成員研修会に積極的に参加し、災害医療についても一丸となって取り組んでおります。
災害時などの危機的状況化における初期段階のサポートを行うためのPFA(Psychological First Aid:心理的応急処置)研修会を企画し、防災への取り組みや緊急支援スタッフのための準備の支援も行っております。
2016年熊本地震におけるDPAT活動について感謝状をいただきました。
DPAT構成員(2023年7月現在)
医師 |
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河野 次郎 (先遣隊・統括)県立宮崎病院出向中 |
並木 薫 (先遣隊・統括)県立宮崎病院出向中 |
小金丸 剛 (先遣隊・統括)県立宮崎病院出向中 |
古郷 央一郎 (先遣隊・統括) |
治田 彩香 (先遣隊) 医療法人弘潤会 野崎病院出向中 |
松尾 倫子 (先遣隊) 県立宮崎病院出向中 |
石田 康 |
宮原 裕 |
大平 洋明 |
日髙 弘登 |
金丸 杏奈 |
看護師 |
嶋元 和子 (先遣隊) |
上山 寛満 (先遣隊) |
後藤 光代 |
廣岡 信仁 |